2025.10.19
【菜家だより】清らかな水の里で育つ新ショウガ
山口市の郊外、のどかな田園風景の中に
小さな有機農園があります。
土の香りにまじってほんのりと甘く
さわやかな香りが漂う畑で
今回は、“新ショウガ”の収穫を
取材させていただきました。

「今年もいい出来ですよ」
そう声をかけてくれたのは、
地元でオーガニック野菜を手掛ける
「てるみんガーデンファーム」の
松西照美さん
化学肥料も農薬も使わず、
土本来の力を信じて
丁寧に育てるその畑には、
青々としたしょうがの葉が
風にそよいでいました。

この農場のもう一つの見どころが、
すぐ近くを流れる清流
透明度の高い川の水で、
しょうがを丁寧に洗っていきます。

陽の光を受けてきらきらと輝く
冷たい清水で洗われていくショウガ
淡いピンクが輝きを増していきます。

その美しさは、まるで天然の
宝石のようです・・・
「この水があるから、この味になるんです」
照美さんが誇らしげに語ります。
山口市小鯖の山奥に流れる
清らかな清水は、
作物の風味を豊かにしてくれます。
地域の自然が、そのまま
野菜の味に息づいているのです。
私は、改めて思いました。
「野菜には、その土地の物語がある」
ということ。

同じショウガでも、
土や水、人の手によって
香りも味もまったく違ってくる。
この畑の新ショウガは、
力強さの中にやさしさがあり、
まるでこの土地の人柄
そのもののようです。
実際に手に取ってみると、皮が薄く、
簡単にむけるほどみずみずしい。
香りはすっきりとしていて
辛みが柔らかく
料理のアクセントというよりは
食材そのものの魅力を引き立ててくれます。
地元の野菜を料理に使うということは、
単に「地産地消」という枠にとどまりません。
その野菜が育った土地の空気や水、
そして作り手の思いまでを、
料理を通してお客様に届けること。

それが、私たち「梅乃屋」の
おもてなしの原点だと感じています。
食べることで土地の恵みを感じ、
旅の記憶に刻まれる。
そんな一皿をお出しできるよう、
これからも地元の農家さんと共に、
旬の味を探し続けていきたいと思います。
次回もまた、どうぞお楽しみに。